Q不動産会社から紹介された中古住宅は、価格の割には立地条件
 が良く、また建物もまだ新しくとても魅力を感じています。
 
 早く決断しなければと思うのですが、お隣りの方がどういう方な
 のか、ひょっとしたらなにかトラブルでもあるのでは?と思うと
 不安になります。どうしたら良いでしょうか?



どんなに魅力的な物件でも、わざわざトラブルを抱えた物件を買う
 必要はないでしょう。



 まずは、物件を紹介してくれた不動産会社にトラブルがあるかどう
 か確認してください。



 トラブルがあるなら不動産会社は売主から告知を受けているはずです。
 物件紹介の段階で告知してくれることもありますが、内容によっては
 購入を真剣に検討される段階になって初めて知らされることもあります。



 また、不動産会社だけでなく売主も買主に対して告知義務があります。
 詳しいことは売主がいちばん良く知っています。



 現地見学の際など売主と直接会う機会に「なにかトラブルはありませ
 んか?」と軽く聞いてみるといいでしょう。よほどの人でない限り嘘
 をつくことはないと思います。


 また人は嘘をつくときは、仕草や表情に変化が出るものです。
 もし直接聞くことに抵抗があるのなら、不動産会社を通じて確認する
 のも方法です。



 ただ、「これぐらいのことは言わなくてもいいだろう」と考えたり本
 当のことを言うと売れなくなると考える売主がいるのも事実です。



 また、トラブルの当事者は自分は悪くないのに相手に非があると思い
 がちです。



 一方だけの言い分を鵜呑みすることなく、ご近所の方への聞き合わせも
 時には必要です。利害関係のないご近所の方なら正直に教えてくれるはず
 です。



 平成16年、隣人とのトラブルを正確に聞かされていなかったとして買
 主が売主を訴えた事件があります。



 売主は隣人から子供の声がうるさいと頻繁に苦情があり、洗濯物に水を
 かけられたり泥を投げられたりして日常生活にも支障が生じていました。



 そこで買い替えを考え、自宅を売却することにしましたが、契約締結前
 日まで隣人からの嫌がらせが続いていたにもかかわらず、売主は「最近
 は隣人との間で全く問題が生じていない」と買主を誤信させるような説
 明をしました。


 裁判所は、過去にこのトラブルが原因で購入を断念した買主がいること
 や隣人の特異な言動を考慮し、売主の説明が買主に重大な誤信を招いた
 のはあきらかであるとし売主の説明義務違反を認めました。



 このケースでは結果的に買主は裁判で勝ったものの、トラブルが解消さ
 れたわけではありません。



 気になることがあるときは、不動産会社や売主に確認するのはもちろん
 自らも積極的に確認すべきです。



 もし、その間に売れてしまったら?



 その物件とは縁がなかったと割り切るだけの話です。