Qこのたび念願のマイホームを手に入れることになりました。
 新生活に夢がふくらみますが不動産に詳しい知人から「境界が
 はっきりしているか確認するように」とアドバイスを受けました。
 境界がはっきりしないなどということはあるのでしょうか。

  また、はっきりしないと、どうなるのでしょうか?



境界がはっきりしないということは、実は珍しくありません。
 むしろ、よくあることです。



 境界がはっきりしているかどうかについて、あなたが注意しなければ
 ならない理由は以下の点です。



@隣地とのトラブル


 境界がはっきりしないと隣地との間でトラブルが起きる可能性が
 あります。家を建てたり塀を作ったりする場合に、越境している
 からひっこめろとクレームをつけられることが考えられます。



A将来の目減り


 現在は登記簿どおりの面積が実際に使えていても、将来、隣地からの
 境界訴訟が起きれば裁判所によって、境界がとんでもないところに定
 められてしまうことがあります。



B売買などの際に支障になる


 仮に現在はトラブルがなくても安心はできません。何らかの理由で売却
 をするようなときは、当然買主は境界の説明を求めてきます。はっきり
 と説明ができなければ、いくら好物件でも売れない可能性があります。



 他にも、いろいろと影響がありますが、いずれにしても損なことばかりで
 後で境界が定まった結果、面積が増えて得した…なんてことは皆無では
 ありませんが、まずないでしょう。



 よく勘違いされるのは、登記簿に記載された土地面積のことです。
 登記されているから大丈夫という方もいますが、登記簿は不動産の売買
 など権利関係を公に明らかにするためのもので、登記簿は境界に関して
 は、直接的な関連を持ちません。



 以上のことから、あなたがマイホームを買うに際しては、必ず境界標を
 確認し隣地との境を知っておくことが大事です。



 もし、境界標がはっきりとしていなければ、売主に測量をしてもらい隣地
 の立会い署名押印がされた実測図を交付してもらいましょう。



 なお、中古住宅など既存の塀がある場合に、それを理由に、境界が曖昧な
 ままで取引する不動産会社がありますが、土地も中古住宅も一緒です。 



 境界確定は不動産取引の鉄則です。